巨大グリルの時代は終わるのか?

BMWの新型3シリーズ、グリルが普通に戻っている。
3シリーズはICEとEVがあり、同シリーズながら細部が異なる。
ICEはエンジンを縦置き搭載するためにボンネット部分が長く、EVはバッテリーを格納するためホイールベースが長い。
デザイン的にはごく普通の車となり、昭和の時代のマークIIやディアマンテをちょっと思い出す。

これまでの流れからすれば、7シリーズを小さくしたような、でもグリルだけは小さくしないぞ、みたいなデザインを連想するものだった。

批判を浴びた巨大グリルも、それを好む人がいるから売るんだとBMWは方針を変えなかった。

BMW的には巨大グリルこそ遠くから見ても一目でBMWと分かる優れものだとしたが、世界中の評論家は下らないこじつけだと反対した。
グリルでしかアイデンティティを表現出来ないと考える時点で、その車のアイデンティティは消滅していると。

BMWとしては巨大グリルが失敗だったとは思っていないとしながら、中国市場で巨大グリルが好まれなかった事を、デザイン変更の一つとした。
これは中国市場の縮小によって販売台数が減少し、中国人好みの巨大グリルよりも世界に向けたスタンダードデザインの方がお得であると考えたから、と見る向きもある。
実際中国版アルファードは本家トヨタより巨大なグリルを身に纏っているし、紅旗も同様だ。
そんなお国柄、俺様はBMWに乗っているんだぞと思いっきり主張出来る巨大グリルは好まれる。
しかし主要マーケットを中国から非中国にシフトしようとすれば、巨大グリルはマイナスだ。

日本に於ける巨大グリルの先鞭はレクサスグリルだった。
トヨタは、”後ろから迫ってくる車を見て思わず道を空けたなるようなデザイン”を目指したという。
そうした意味ではBMWに先行して巨大グリルを使ったのがトヨタと言う事になる。

豊田章男氏はレクサスグリルが嫌いだそうで、せっかく浸透してきた頃になってレクサスグリルの廃止に動いた。
豊田章男氏はトヨタ共通デザインで歌舞伎顔、怒り顔の極致を求めたのだった。
しかしそれも二代目共通デザインとなり、トヨタにおいてもインパクト顔からの脱却となっていく。

しかしクラウンは踏ん張った。
共通デザインでもグリルとタイヤはデカく出来る事を示した。
クラウンセダンのデザインはアクアを大型化させた感じ、クロスオーバーはプリウスデザインだ。
一次は消え去るかもと言われていたクラウンがモデルチェンジしたのが2022年だった。

紅旗H9は2020年に発売された高価格中華セダンである。

セダンが売れない中にあって、それでもクラウンは月間平均800台ほどは売っている。
と言う人もいるのだが、紅旗H9(中華国内販売台数)やBMW(日本国内販売台数)だって月間平均2千台以上は売る。

インパクトのあるデザインはトレンドになりうるかも知れないが、やがて飽きられる。
オーソドックスなデザインは他のデザインに埋もれてしまうのだが、長く続く傾向だ。

ではBENZ Cクラスはどう見れば良いのか?
クラシカルなグリルと見るのか?巨大グリルの一種と考えるのか?
グリルのサイズだとか左右に開いた穴など、BMWの4シリーズを思わせるものだ。

そしてこのデザインも、評論家からは悪い点数を付けられている。
格好が良いとか悪いと言うよりも、奇抜性とか笑えるデザインが好まれる時代になったのかな。
こうした流れをみる中で、BMW 3シリーズが凄くマトモな車に見えてしまうのが不思議だ。

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