ワックスの皮膜厚が測れないものか?物理的測定器で測った実験がこちらだ。
今回は電気的計測器で測れるかどうかを試してみる。
使用する膜厚計は(株)ケット化学研究所のLE-300である。
ゼロ点やリニアリティなどの校正が可能な、電磁誘導式の膜厚計だ。
主な仕様は以下の通りである。
測定範囲:0~1500μm
測定精度:50μm<±1μm 50μm=>±3%
分解能:100μm<0.1μm 100μm=>1μm
分解能自体は0.1μmあるのだが、測定精度は高くない。
このあたりは電磁式膜厚計の限界なので仕方がない。
キャリブレート用の標準膜があるが、今回はゼロ点との比較でのみ測定する。
ワックスは4種類を用意した。
紫外線硬化型の太陽光コート、LOOXレインコート、Gガード固形、コンパウンドWAXである。
これを校正用の鉄塊に塗り、厚みを計測する。
計測は10回行い、もっとも値の小さい数値を読み取ることにした。
計測後はアルコールで鉄塊を拭き、ワックス分を落とす。
太陽光コートを鉄に垂らし、乾くのを待つ。
乾いたら柔らかい布で拭き取り、膜厚を計測する。
膜厚は0.1μmと表示されたが、誤差の中に埋もれている。
鉄を綺麗にして次にLOOXレインコートを塗る。
少し粘性のあるLOOXレインコートだが、乾燥時間待ちはない。
これは0.0μmが計測値となった。
鉄を綺麗に清掃し、Gガード固形を塗る。
表面が白く乾いたら、柔らかい布で拭き取る。
計測値は0.1μmだった。
鉄を清掃し、最後はコンパウンド入りのワックスを塗った。
これも表面が白っぽくなったら拭き取りを行った。
表示値は0.1μmだった。
0.0μmと0.1μmに差があるのかと言われると何とも難しい。
確かに計測値の数字は異なるが、確度以下の違いでしかない。
物理計測器でも1μmが測れることを考えると、電磁式膜厚計は確度が足りない。
電磁式膜厚計は物理測定の出来ない場所で活躍するものであり、確度に限界はある。
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