フロアジャッキを買ったのはいつだっただろう。
それすら忘れてしまうほど長く使っていて、大いに役立ってくれていた。
さすがに古いものなので傷みはあり、各所にさびもあれば油圧の保持も甘くなっている。
前回使ったのは数ヶ月前、特に異常は感じられなかった。
しかし今回使おうとするとジャッキを上げるためのレバーが動かない。
力を入れて押し込むことは出来たのだが、今度は引き上げられない。
油圧のピストンとシリンダが固着してしまったようだ。
ピストンを押し下げる方向には力を入れられる構造だが、ピストンを上げる方向には力が入れられない。
簡単な金具で引っかけているだけなので、金具が外れてしまった。
オイルだらけなのは、ピストン部分を外した時に漏れたオイルのためだ。
ピストン部分を外しても溢れないものかなと思ったら大違いで、結構な量のオイルが出てきた。
ピストンの頭の部分にマイナスドライバーを引っかけ、テコにして持ち上げようとしたがびくともしない。
そこでピストン部分を外してみることにした。
押したり引いたりしてみたが、それでも全く動かない。
内側はオイル漬けになっているので錆びなどはない。
パーツとしては小さなものだ。
万力で挟んで引っ張ったり押してみたり、叩いてみたりしたが全くダメである。
ピストン部分が回転するものなのかどうかは分からないのだが、どうせダメだし、ピストンの頭の部分をバイスで挟んで回そうとしてみた。
しかしこれもビクともせず、ピストンの頭部分が削れるほど力を加えたが全く動かない。
ゴミが挟まってカジってしまったとか、そうだとしてもこれだけ力を加えれば動いても良さそうなのに。
直して使えるものなら直したいが、既に他の部分もボロボロだ。
調べてみると大橋産業でほぼ同じもの(No.1336)が売られていて、パーツの細部などは異なるが外観などはあまり変わっていない。
このジャッキに関しては部品単体は購入できないとのことらしいので、潔く買い換える事にした。
ほぼ同じ形状のものが20年以上も売られ続けている事に驚く。
製造元は分からないが、大橋産業でもMonotaROのPB品としても売られている。
フロアジャッキの寿命は10年~20年だそうで、シールやパッキンなどを交換すれば使い続けられる。
ただプロ用ではない安物は部品単体で購入することが出来ないので、社外の似たシールリングを見つけるなどする必要がある。
ジムニーが溝に落ちたのを救出するときにもこのジャッキは役に立ったが、持ち上げる部分に付いているゴムはボロボロになった。
このゴム部分をホイールの穴に引っかけてジャッキアップしたからである。
ゴムがなかったら、ホイールがボロボロになった。
最近売られているものはここにゴムが付いていない。
ゴムが必要なときには別売りのアタッチメントを取り付ける。
ひっくり返してみると、裏側にもそこそこさびがあった。
油圧シリンダの形状は多少異なるが、サイズなどはほぼ同じだ。
キャスター取り付け部は、形状が変わった。
キャスターのベアリングは、サポートが金属だったのだが新たに購入したものはプラスチックになっていた。
キャスターのネジ留め部分は、キャスターを留める板金にもネジが切ってあり、いわゆるダブルナット構造だったものが、新たに購入した方は単なるナット留めに簡略化されている。
新規購入にあたっては検討したのだが、結局同じものを買うことにした。
特にトラブルもなく使い続けられたこと、小型で使い勝手が良いことなどが理由だ。
もう少し大型のものの方が安定感があるのだが、本体重量が重いので運ぶのが大変だ。
ジムニーが溝に落ちたときにも活躍したし、軽乗用車が溝に落ちたのを救出するときにも役立ってくれた。
バルコニーの補修の時には柱を押さえる(持ち上げる)のに使ったし、U字溝と組み合わせて(プレスとは言わないが)力を加えるのにも使った。
木を倒すときは追い口側に棒を突っ込んで、その棒をジャッキで持ち上げた。
本体の目的である車を持ち上げる時に、一度この手のジャッキを使ってしまうとパンタグラフジャッキなど面倒で使っていられなくなる。
このジャッキでも9kgあるので軽くはないが、持ち手も付いているので運べないことはない。
なお大橋産業にはもう少し小型でケース入りのものがあったが、今は販売されていないようだ。
フットペダル付きのものなど、あるいはエアシリンダ式などは楽で良いのだが、大橋産業のフットペダル付き3t用だと自重が45kgと重い。
激安の中華だるまジャッキがあった。
3tの荷重でたった748円だった。
壊れたジャッキは使い道がないのでバラバラにして捨てる。
この地域では長さが50cm以上のものは粗大ゴミ扱い、それ以外は不燃ゴミで捨てることが出来る。
回転式のキャスターとベアリングは交換用に取っておくことにした。
といってもこのジャッキ、20年以上使っているがキャスターは壊れなかったんだけど。
パーツの中で最も重いのは油圧ポンプ部分だった。
他は板厚はあるとは言ってもさほど重いものではない。
油圧ポンプは数トンの圧力を発生する。
これがテコ比(約3倍)分だけストロークを増やして車両を持ち上げる。
写真左が持ち上がる部分のアーム、中央が油圧部分だ。
油圧部分には大きな力が加わるので、太いネジで留められている。
下の写真右側は鋳鉄製だ。
可動部分は金属接触で、ベアリングなどは使われていない。
摺動部分にメッキの剥げなどはなく、シャフトに曲がりや亀裂は認められなかった。
稼働シャフトを留めているCクリップには多少のさびが見られたが、さびによって強度が低下していると見られるものはなかった。
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