ミニにはオートヘッドライト機能があるのだが、消灯までの時間が長い。
例えばトンネルに入った場合はすぐにヘッドライトが点灯するが、トンネルから出ても2分間位はヘッドライトが点灯したままになっている。
これはハロゲンヘッドライトやHID時代の名残だと思われる。
ハロゲンヘッドライトやHIDの場合は点灯・消灯を短時間で繰り返すと寿命が短くなる。
ハロゲンヘッドライトは電球内の温度が上がっていないとハロゲンサイクルが起きず、蒸発したフィラメントがガラス内面に付着する。
HIDは高温時には点灯初期電圧が上昇し、点灯に失敗する場合がある。
点灯を失敗させない為には放電開始まで少し高い電圧を加えるので管電流が増え、寿命が短くなる。
こうした事から、一度点灯したら消灯までに時間をかける設定になっているのかも知れない。
しかしそれを言うのであれば点灯時間をカウントしていて、2分以上点灯が続いた後に明転したらすぐに消してくれれば良いのに。
この点灯までの時間はソフトウエアプログラマブルではなく、センサユニットの時定数で決められている。
従ってオートヘッドライト/レインセンサを時定数の短いものに交換する以外に、消灯までの時間を短くすることが出来ない。
ではどんなパーツに交換すれば良いのか?
レインセンサのパーツ番号を調べてみると、年ごとにと言って良いほど更新が繰り返されている。
またオプション仕様などによっても品番が異なる。
×61356806746
×61356806747
×61356814598
×61356814603
×61356823542
×61356946243
×61359387626
×61357939174
○61357939175
×61359861559
×61359861560
○61356475148
○61359475149
×61359877611
だいたい2~3年で品番が変わっているようで、×は既に廃番だ。
そしてこれらは61355A07A03に集約されているらしい。
(2024年現在の状況)
買ってみて駄目だったら残念でした、みたいなものなのだが、旧品番で検索するとずいぶん高い。
旧品番のセンサが製造されていないから高いのか?不思議だ。
ちなみにショップで改造して貰う(センサを交換して貰う)為には6万円~10万円の費用が必要だ。
部品持ち込みによる交換はやらないよと言っているショップが多い。
センサの交換による改善は、ウチのショップが初めて実現したとか、様々な試験を繰り返してたどりついたとかと言っているが、実はBMWの資料に周囲の明るさの変化による消灯時間のデータがある。
消灯までの時間はセンサの製造時期によって異なる。
製造年は2017年2月が境のようで、これより古いものはトンネルを出てからの消灯時間が120秒、地下道?を出てからの消灯時間が30秒と資料には書かれている。
いずれも2017年3月以降では5秒となっている。
しかし品番から製造年月日を判断することは出来ず、現物の刻印を見るしかない。
少なくとも61355A07A03は最新版であり、これを探してみることにした。
これが購入してみたものである。
中古も出回っているが、新品を選んだ。
販売店に製造年を確認したりして、古くないことは確かめた。
受光面はこんな風になっている。
製造日付を見ると2023年5月10日だ。
ドイツ物の日付は左から、日・月・年である。
現在付いているものは2015年11月17日製造だ。
裏面は取り付け用のリン青銅のバネが付いている。
これの購入価格は8千円位だった。
送料が高い割に国際郵便チックな便で届いたんだよなぁ。
常に同じものが売られているか否かは不明だが、eBayに出品しているpartsori-ukで購入した。
荷物が日本に着くまでにはかなり時間がかかったので、急ぐ人は(送料は高くなるが)荷着の早い便をリクエストした方が良い。
メールのレスポンスは早いので、”Hello.
I want the BMW MINI (Rainsensor)61355A07A03, which was bought by a Japanese man named Mr. Horikoshi, or something similar.”とでも書いてみれば、61355A07A03を探してくれるかも知れない。
これが使えるのかどうか、早速実験してみることにする。
レインセンサを外す為にはインナーミラーのカバーを外す必要がある。
これは中央から2つに分割出来るので、手で引っ張れば外れる。
写真は分かりやすいように半分だけ外した(正確に言うと一度外したものの半分をくっつけ直した)状態だ。
外したカバーはこんな感じ。
ミラーは下にスライドさせると外すことが出来る。
特に固定はされていないので、ぐりぐりと下方向に押すと外れる。
オプションのミラーだと配線があると思うので、それも外す。
センサはリン青銅の板で押さえつけられている。
細い細いピンセットなどでリン青銅の引っかかり部分を持ち上げるようにして外す。
リン青銅を外側(センサの中心から見て外側の方)に引っ張りながら、リン青銅自体を押す(フロントガラス側に押す)と、引っかかりが外れてぽろっと取れる。
元々のセンサを使う予定がなければ、リン青銅のバネを切断してしまうのが簡単ではある。
リン青銅のバネに小さな爪的なものがあるので、それを起こす感じだ。
新品のセンサと比較して見て外せば難しいことはない。
赤いコネクタはロックがあるので、これも細いピンセットなどでロック部分を押し込みながら赤い部分を引っ張れば外れる。
センサ自体はリン青銅のバネを外せばフリーになるが、センサとガラス面はシリコンシートで密着している。
センサを左右に揺するようにしながら手前に引っ張ると、シリコンシートと共にセンサが外れる。
シリコンシートはスマートフォンの画面保護フィルムのような粘着強度だ。
実はシリコンシートを買っておいたのだが、センサに予め付けられていた。
中古センサを買う場合は、シリコンシートが必要になる場合がある。
新旧センサとシリコンシートはこんな感じ。
AppleWatchよりも小型だ。
外したのと逆の手順でセンサを取り付け、バネをパチンと押し込んで装着完了だ。
特に難しい作業ではなく、10分位で終わる。
繰り返しになるが、リン青銅のバネを外すには細いピンセットが必要だ。
先の曲がっているもので剛性の高いものが使いやすい。
取り付け後はセンサに光を当てたり遮ったりして、ライトの消灯レスポンスを確認する。
だいたい5~6秒で消灯するはずだ。
フロントガラスに水をかけ、オートワイパーの動きも確認する。
このセンサにはフォトダイオードや太陽電池板など、いくつかのセンサが組み込まれている。
ライトの点灯、スモールライトの点灯、ワイパーコントロール、エアコン用日照センサなどの役割がある。
このあたりはトンネルもあるので、消灯時間が常識的時間になったのはとても良い。
未確認ではあるが、消灯時間を伸ばす方向にはコーディング出来た気がする。
夕刻など暗さに応じたライト点灯感度は、デフォルトではもっとも鈍感に設定されている。
点灯/消灯のヒステリシスが大きめなのだが、最近の国産車は薄暗いかな?位の夕方でもライトが点く。
私としては現状位で丁度良いとは思うが、感度を上げる(余り暗くならないうちからライトを点灯させる)方向にはコーディングで変更出来る。
なおセンサを交換したことは車両側に察知され記録される。
交換した、と言うよりもコネクタが外されたことがログに残る。
ISTAがあれば履歴を消すことが出来る。
ISTAに関してはこちらに少し書いている。
ダウンロードURLがいつまで有効か分からない(いつまでダウンロード可能か分からない)ので、トップページのみ案内する。
eBayで有料版を買うのも方法だし、ヤフオクではインストール済みのPCごと売られていたりする。
ハードウエア的にはWindows10以上で、ストレージが1TB程度、メモリが8GB程度のPCと、ENET接続ケーブル(OBDIIコネクタとRJ45の変換ケーブル)が必要になる。
SDP(プログラミング用のモジュール)を含めなければ500GBのストレージでもインストールは出来る。
インストールはセットアップを走らせるだけなので、解説するほどのことはない。
CPUパワーの無いPCでも動作はするが、インストールには数時間を要する。
コメント